Emergence Theory

What is reality?

最近は自分の勉強の時間より仕事のために時間を使うことが多かった。

先日も仕事のために時間を使っていこうと考えていたんだけど、なかなか思うようにいかなず、悶々とした時間を送ってしまっていた。

途中で埒が明かなくなってきたので、Youtubeを見ることにした。

Quantum Gravity Researchというグループが作っている、物理学に関する動画である。相対性理論と量子力学を統合する物理学の主流としては、超ひも理論なのだそうだけど、このカリフォルニアにあるグループでは「Emergence Theory」という理論を使って物理学を統一させようと試みている。

この理論に日本語の名前があるのかどうかわからない。もしかしたら新しい理論なので日本語訳のようなものがないのかもしれない。

ドキュメンタリー形式の動画で30分ぐらいなのだが、高いクオリティーで作られている動画だ。もしかすると海外ではテレビ放送もされていたのかもしれない。きれいなお姉さんが時々ユーモアを織り混ぜながら、Emergence Theoryがどういったものなのかを簡単に説明してくれている。

その内容はというと、とても哲学的な話になっている。

もちろん時間や空間やブラックホールといった相対性理論ではお馴染みのテーマの話題も入っているのだけど、そのEmergence Theory を物理の統一理論へと完成させるための7つの手がかりとして、このようなものを挙げていた。

1.Information(情報)

2.Causality loops(因果ループ)

3.Non determinism(非決定論)

4.Consciousness(意識)

5.Pixelation(ピクセル化)

6.E8 Crystal(8次元のクリスタル)

7.Golden Ratio(黄金比)

ご覧になってどうだろうか。何ともまあ哲学的なトピックであろうか。

今の最先端の物理学はかなり哲学的なテーマを取り扱っているようだ。実際、動画内でも、超ひも理論が行き詰っている現状を紹介し、新しいアプローチが必要だという風なことを言っていた。

まずそもそもの動画のタイトルが『What is reality?(現実って何?)』というものだった。

物理学の中で、最も大きな流れでありながら対をなす学問といえば、相対性理論と量子力学である。この動画では、どちらの理論も「光の速さが秒速約3万km」ということを出発点にしていて、なぜ光の速さが一定なのか、という問いへの答えはないと言っていた。

量子力学についてはあまりよくわかっていない部分が多いのだけども、たしかに相対性理論では原理のひとつが「光速度不変」で、それをもとに理論が組み立てられ、結果的に現実世界と一致しちゃった、という感じであった。

そこで将来、物理学の統一理論となるかもしれない「Emergence Theory」では、物理で扱われている定数についても言及されているようだ。光の速さもそうだし、たとえばプランク定数なども、なぜそういった数値になるのかが研究されているらしい。あとで出てくるが黄金比というのもこの自然界の定数のひとつとして取り扱われている。

Information(情報)

「現実世界は情報によってつくられている」と言っていた。

よく考えれば当たり前のことかもしれない。見た感じでは、現実世界は幾何学図形の集まりである。建物も道路も文字でさえも幾何学的なシンボルだ。その形の違いは意味を表すことになる。意味というのは物事と物事の違いでしかない。意味があるということは、存在しているということでもある。そして、存在しているということは、意識的なものによって認識されるものでなければならない。

あれ?僕は物理をやっているのか、哲学をやっているのか?

Causality loops(因果ループ)

ここでは、なぜ過去の出来事しか未来に影響しないのだろう、といった話がされていた。いや結論として、未来が過去の自分に影響を与えるかもしれないという可能性を示唆していた。そうだとすると本当に僕たちの認識というのは全く当てにならなくなってくるぞ。

Non determinism(非決定論)

決定論とか非決定論とか、それこそ哲学のトピックで人生が決まった運命に沿って動いているのか、そうでないかという話のことだと思うのだが、上の話が本当で、過去から未来への影響だけじゃなく、その逆もあり得るとなれば、もちろん決定論的考え方はできなくなる。

Consciousness(意識)

先ほど言ったように、現実世界は情報によってつくられている。その情報というものは、観察から得られるもの。さらに、その観察は意識的なものによって実行される。人間の意識なしには、現実世界は存在しえないのだ。

これは量子力学的な考え方である。有名な2重スリット実験やシュレディンガーの猫という思考実験では、観測されるまではその対象の状態は決定されない、という立場を取るというのを聞いたことがある。

極端なことを言えば、僕は今後ろを見ていないわけだけど、後ろにある空間が存在しているかどうかは究極的には証明できないということだと思う。

見上げた夜空には月が見えるかもしれないが、果たして僕らが見上げていないときに月は存在しているのだろうか。

Pixelation(ピクセル化)

ほとんどの科学者が距離の最小単位がプランク長(1.616×10−35 m)であることに疑問を持っていない。

ということは、デジタルカメラの写真はピクセルによって構成されているように、現実世界でも一辺の長さがプランク長である4面体の集まりである可能性が高い。

E8 Crystal(8次元のクリスタル)

あまり固体物理学は得意ではないのだけど、8次元的なクリスタル(240個の頂点があるような多面体Gosset Polytope)を投影させたものは4次元的なクリスタルになるらしい。この辺りの内容は全くわからなかったのだが、現実世界の3次元空間は8次元のクリスタルを2回ほど投影させたものだというのだ。

すごいのはここからである。8次元的なクリスタルGosset Polytopeを4次元に投影させると全く同じ形だけどサイズだけが違う形が出来上がるというのだが、その比率が0,618つまり黄金比だというのだ。

Golden Ratio(黄金比)

個人的な話になるけども、黄金比に非常に興味を持ったことがあった。フィボナッチ数列の連続する2つの数字の日は黄金比になるし、植物の花びらの数が黄金比だとか、人間が美しいと感じる比率だとか様々なことが言われていたが、何をもって美しいと感じるかはその人次第という部分があったり、無理数でもある黄金比に無理やり当てはめている感のあるものも少なくなかった。

だから当時はそんなに深追いしたくなかったというか、インチキ臭いと感じる人も多くなかったので、自分も自然と距離を置くようになっていた。

しかし、ここにきて物理学の最前線で黄金比が研究に使われているということを聞くと俄然興味が湧いてくる。

動画によれば、身の回りの自然界どころか、ブラックホールについて研究していると黄金比が現れてくるというのだ。

おわりに

もともと哲学に興味のあった僕にとっては、非常に面白い内容の物理学の動画だった。

もう少し個人的に勉強していきたいトピックだと思った。

興味を持った方はこちら(Youtubeに飛びます)

参考(画像):Quantum Gravity Research (Youtube)

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