宇宙物理勉強会(Physics Club)2019/09/16

今回の勉強会では、熱力学に主に時間を割いて議論が行われました。

熱力学では状態量というものが重要と言われています。内部エネルギーやエントロピーやエンタルピー、さらにホルムヘルツやギブスの自由エネルギーなども状態量に含まれます。

数学的には状態量は完全微分の形式で表されなければならないと言われています。完全微分というのは

$$dz=\bigg(\frac{\partial z}{\partial x}\bigg) dx + \bigg(\frac{\partial z}{\partial y}\bigg) dy $$

で書き表され、さらに

$$\bigg(\frac{\partial z}{\partial x}\bigg)=\bigg(\frac{\partial z}{\partial y}\bigg)$$

という条件を満たしているものが完全微分です。

これらは積分の経路によらず、結果が変わらないものをいいます。

勉強会ではさっそく全微分の式についていろいろ話がありました。僕は全然疑問を持たなかったんですが、参加者の一人が全微分の曖昧さに話を進めていきました。「座標の取り方に依らず、その地点での値が変わってはならないのに、これだと変わってしまうような気がする」とのことでした。僕にはよくわかりませんでしたが、いろんな視点でものごとを考えられる機会は大切だと思います。

実際、そのあとナルホドと思ったのが、状態量とそうでないものの違いについてでした。僕は、状態量が完全微分の形式になるということに意識を持っていきすぎていましたが、よくよく考えれば状態量でない代表の仕事なんかは全微分どうのこうの前に「状態」というよりは「動き」であることに気が付きました。

熱力学において仕事というのは体積の変化が及ぼす影響のことだ。小さな視点でみれば、空気の分子が寄せ集まっている状態から散らばっている状態にいく「動き」である。そのように捉えると状態量の意味がイメージとして入ってきやすくなりました。

さらにこの微小の「動き」は状態量の値を変化させるものであると考えれば、なんか理解がスッキリしたような気がしました。

誰かと一緒に勉強する大切さを感じられた勉強会でした。

エントロピーの話も出たのですが、なんかつかみ切れていない部分なので、しばらくは熱力学を主なトピックとして進めていくことになりました。

大阪付近に住んでいる方で興味のある方はこちらで連絡してくださいね。

これまでの勉強会↓

宇宙物理勉強会(Physics Club)
「宇宙物理勉強会(Physics Club)」の記事一覧です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました